プロヴァンス風住宅
プロヴァンス地方のお住まい
- 南欧住宅との共通点
- プロヴァンス風住宅は地域的にも南ヨーロッパに属することから、下部枠線内1番から4番までは南欧風住宅と共通の特徴を持っている住宅が多いようで地中海地方全般の特徴ともいえますす。
- 特筆すべきポイント
- この地方では梁などの構造材を壁で囲ってしまわずに見せる意匠が特徴で、大きな梁を用いて大胆なデザインを実現しています。日本の住宅でもかつて頻繁に採用されていた工法です。
- プロヴァンス地方は瓦屋根が美しいことでも知られています。
- 彩り豊かな瓦屋根
- 瓦に苔が生え、また瓦そのものが変色しているため、紅葉したようなカラフルな色合いです。
- 漆喰や石造りなど天然素材を用いた外壁
- 白やクリーム色の漆喰壁、石造りの壁が抜けるような青い空によく合います。
- 伝統を受け継ぐアーチ形の開口部
- ローマ帝国時代の凱旋門以来、地中海地域の伝統を受け継いでいます。
- スチール製の手すり
- 手すりには花の咲いた植木鉢が飾られることが多く、お住まいに色どりを加えます。
- 大きな構造材を見せる意匠
- 露出した大きな梁がぬくもりと安心感を与えます。
「彩り豊かな瓦屋根」と「大きな構造材を見せる意匠」以外の特徴については、ページの末尾で特集ページを紹介しております。
彩り豊かな瓦屋根のプロヴァンス風住宅
日本の住宅では、注目されることが少ない屋根ですが、プロヴァンス風住宅では欠くことのできない要素です。
正面の6角形の屋根が個性的なプロヴァンス風住宅
屋根の向き
屋根の形が個性的です。下屋正面と下屋右側の屋根は水の流れる方向が上屋と少しずつずれています。これがなければ普通のお住まいなので、インパクトが大きいです。
ここでも瓦屋根
ここでも、色ムラのできた屋根瓦がきれいです。こういった瓦の様子はイベリア半島から、ギリシャを経て地中海全般で見ることができます。
漆喰壁の味わい
このお住まいの壁に用いられている漆喰はフランスでよく見られるもので淡い色ムラが出るのが特徴です。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- サッシ、照明等現代的な設備機器が使用されています。やはり、床にはテラコッタタイルが使用されています。
- キッチンはかなり余裕を持ったスペースです。同じ南欧でもスペイン南部とは異なり木目調の設備機器が多いようです。
- 少し向きを変えてキッチンを撮影しています。
- 変わった形の屋根の部分は暖炉付きの居間になっています。この壁に用いられている漆喰は淡い色ムラが特徴で日本国内でも入手可能です。
- フランス名物の漆喰で覆われた暖炉の横には２階に通ずる階段が位置しています。この階段もユニークです。
- 子供部屋です。天井に屋根の構造材が見えていて、屋根裏部屋を利用していることが分かります。南ヨーロッパ地域の場合は天井を張らない場合が多いようです。
平屋のプロヴァンス風住宅
お住まいの大きさ
延べ床面積は42坪の大きな平屋のお住まいです。
景観維持のための規制
鮮やかな色調の屋根瓦がシンプルなデザインを引き立てていて、プロヴァンス風住宅のイメージにぴったりのお住まいです。
この地方では、新築が景観維持の観点から規制されていることもあり、経年変化に伴う瓦の色の変化がこうした美観を造り上げます。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 玄関を少し左向きに撮影しています。スペイン瓦はこういったプロヴァンス風のお住まいに相性の良い瓦です。
- 玄関から居間を撮影しています。一番奥の細工の込んだドアが重厚感を感じさせます。床はサイズの大きなタイルです。
- 少し向きを変えて居間を撮影しています。家具も色調がシックでお住まいのイメージにぴったりです。
- 台所兼食堂です。最近の日本のお住まいよりも狭い位の面積です。このスペースもタイル張りです。
大きな構造材を見せる意匠のプロヴァンス風住宅
プロヴァンス地方では住宅の建て替えが規制されている地域もあり、１つのお住まいが何世代にもわたって利用されることも珍しくありません。この中で、かつて日本でもよく見られた梁などの構造材を見せる意匠が受け継がれてきました。ここでも、屋根瓦の美しさが印象的です。
農家の大きな母屋を改修したプロヴァンス風住宅
古民家が保存される理由
プロヴァンス地方では景観保持為などのために新築が制限されていたりする場合は、昔ながらの作りを維持することになります。
このお住まいもこうした造りを見ることのできる家です。
ダイナミックな構造材
造りの様子から農家の母屋を改修してお住まいであると思いますので、今では使われることの少なくなった大きな構造材がダイナミックな意匠を造り出します。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 壁の作りも昔ながらの面影を残します。石を積み上げ、これを漆喰で固めて外壁を仕上げてあります。
- 構造材を一切見せず、全ての壁を漆喰で仕上げた居間は、かえって現代的な印象を受けます。
- 少し向きを変えて居間を撮影しています。隣の部屋とドアで仕切っていないので、開放感があります。床もテラコッタ調のタイルです。
- 意外とキッチンスペースは狭いことが多いようです。それというのも、昔は農家のお住まいは作業スペースに充てられがちで台所はせまくなりがちでした。拡張が困難な場合はそのままになってしまうようです。
- ヨーロッパの住宅には暖炉が欠かせません。お住まいの中心的存在になります。暖炉の横のカラオケの機会が印象的です。
- 寝室の一つです。天井に丸太が見えると思いますが、丸太の上はすぐに2階の床で、1階の天井と兼用になっています。日本でも農家のお住まいは同様の作りをしていました。
大きなリビングが特徴のプロヴァンス風住宅
外壁と瓦屋根の調和
石造りの外部と屋根瓦の色合いがマッチして実に見事です。
プロヴァンス地方の場合は個性的なお住まいが多く、これといった決まったパターンはありませんが、屋根の美しさはどのお宅も共通しています。
住まいの彩り
観光地には多いのかもしれませんが、上手に花を生活の中に取り入れていらっしゃるお宅が多いかと思います。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 外壁を伝わるお花をアップで撮影しています。ここまで育てるのは大変だと思いますが、家を大変美しく演出します。
- 石を積み上げて造られた外壁をアップで撮影しています。きれいですね。
- 漆喰壁で仕上げられたキッチンです。ドアで他の部屋と仕切ることはしていませんが、開口部が石で巧みに演出されています。
- 居間の一部が食事スペースとして仕切られています。キッチンから離れているので、ここにも流し台が設置されています。
- 柱をあまり立てないでスペースを広く確保しているので、構造材が大きなものを使用しています。日本では耐震面が心配ではあります。
- 漆喰仕上げの天井に構造材の丸太を見せる意匠。大胆かつシンプルな仕上げです。
- 寝室です。この部屋を見て感じることは、丸太があることで白で統一された室内が大変柔らかい印象になっているように思います。丸太がない場合を想像してみてください。
- 緑が美しいお庭です。これだけ大きなスペースがあるとうらやましいですね。
モノトーンのモダンな内装のプロヴァンス風住宅
歴史的景観
プロヴァンス地方の街並みはこういった彩り豊かな屋根の家がたくさんあります。
経年変化によって美しさを一層増してゆきます。
その中の新しい息吹
現在ではこうした屋根に仕上がるように製品化された瓦も製造されています。
この写真の右下の屋根瓦がそういった製品に該当します。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 上の階に上がる階段からキッチンを撮影しています。
- モノトーンで統一されているキッチンはハイセンスな仕上がりです。
- 写真中央部の丸太。工作機械がなかった時代は斧で削って仕上げていました。
- ベッドの背後の壁だけ仕上げ材が異なってインパクトがあります。照明器具もユニークで間接照明が雰囲気を作り出しています。
青い鎧戸が美しいプロヴァンス風住宅
南フランスでは窓の保護には鎧戸を用いることがあります。
全体的に白で統一されているので鎧戸も白というケースはよく見ますが、異なる色を選択する場合は、何とマッチさせるかということも大事ですね。
このお住まいの場合は、プールや空の色に合わせて水色を選択したのだと思います。
- 撮影地
- フランス・プロヴァンス地方
- 同じく居間の別角度です。窓が解放されているので描かれている弧の形状がよくわかります。
- キッチンは設備器具と家具をモノトーンで統一しています。壁のオレンジとの対比が印象的です。
- 別の寝室です。こちらは白で統一されていますが、モノトーンの場合とかなり印象が異なります。
- この寝室には化粧洗面台が２台付いています。間接照明も利用されていてエレガントな仕上がりになっています。
- 居間窓の上部、天井が弧を描いています。繰り返しが作り出すリズムが感じられます。
- 浴室は黒がメインのモノトーン。部屋によって白と黒の比率を決定しているようです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。以下に、他の現地住宅写真のページをご紹介いたします。
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